THE LIFEFUMIO TAKASHIMA
ダイアリー2026.9.7NEW

オーナー社長と引退

先日、某企業現役オーナー社長O氏とランチをした。自分よりは10歳位若い社長だが2000億円近い規模のオーナー社長だ。最初に知り合ったのは15年ほど前だ。今は年に2度ほど会う程度だが、先だっては主に自分の引退後の話が中心だった。確かに何人かのオーナー社長からはよく聞かれる話だ。自分の子供には息子がいなかったので若い頃から事業はいずれはどこかに託すしかないという心構えも出来ていたが、65歳で引退し、68歳で全ての事業資産を売却した。それからは売却資金を投資に回し、数人の資産管理会社を運営し(と言っても週に1度くらいオフィスに顔を出す程度)、のんびりとやっている。暇な時間はスポーツや、旅行に行くことで埋めている。そうやって気楽な段階になっているのだが、彼や他の後輩連中は自分のことが羨ましいらしい。まぁそんな風に言われるが、自分なりに決めて行った事だから納得している。しかし、会食したO社長や他の後輩社長はまだ事業欲があるし、オーナー故のわがままもある。その段階ではやはり決めかねると思う。やはりオーナー社長はリスクを張っているぶん、高収入(配当)を得るのは当然だし、節税も兼ねてプライベートジェットなども購入できる。しかし、会社の株が資産の大部分だと、どうしても売らないとキャッシュが手に入らない。株を担保に融資も受けれるが、株価を常に意識しなければならず気持ちのいいものではない。しかし株を売るということは会社への支配力が弱まるわけで、51%以上あれば問題はないが49%持っている方も経営には関与してくる。そう考えるとオーナー社長はまとまったお金は手に入れたい、しかし役員報酬だけでは限界がある。では高配当ができるかというと配当よりも内部留保に回した方が企業価値が上がるから高配当も難しい。などなど考えているうちに流動的な目先の給与や交際費ぐらいで凌ぐしかなくなるし、自由になる時間も限られてしまう。そしてやはりそれなりの企業を率いる大将だ。その座を明け渡すのは忍びないだろう。しかし、そういう諸々の悩みをどこかで決断しないと、70歳、80歳になってからの引退では遅すぎると思う。何故かというと身体が元気ではなくなるからだ。もちろん自分にも事業欲はあった。しかし、例えば75歳までやって売上1000億企業にしてから引退、売却するのと68歳で400億近い企業を売却するのでは残された時間と身体とをバランスして考えたら後者の方が幸せなんじゃないだろうかと思ったのと同時に、自分の能力はこれからの時代に対応できるんだろうか?という自分のビジネス能力への問いかけだった。未来に対し新しい時代のTOPが舵取りするべきだろうと思ったからだ。案の定AIという新しい時代になった。今おそらくはどの企業もAIでどれだけ企業変革するかに躍起になっているはずだ。もし自分がまだ経営者をやっていたらその荒波の中で舵取りをしなければならなかっただろう。そしてまだまだ引退できずにもがいていただろう。想像しただけでもゾッとする光景だ。ユニクロの柳井さんのようにどこまでも事業欲を達成する喜びで生き抜く人も何ら否定するものではない。しかしニデックの永守さんのように時代から逸れてしまった人はもっと早くから透明性と共に後塵に道を譲るべきだったと思う。

実は改めて思う。企業経営や経済活動なんて社会全般から見れば大したことないんです。1兆円企業の社長だって80歳を超えたら死は近いし、辞めたらタダの老人だ。全て身の回りのことは秘書やスタッフがやってくれたおかげで、社会に放り出されたら1人では何もできない人です。金があるから払えばやってはくれるだろうが、走れないし、SEXもできないだろうし、酒もそんなに飲めないし、何を楽しみに生きるんでしょうか?そんな風に考えるとやはり60代でそれなりの自由なお金と、自由な時間を得るのが一番だと思う。残り人生15年の俺がいうんだから。何故なら、俺は50歳代でまぁそれなりに運動していたから今の体力があるけど、何もしていなかったらだいぶ老人の域に入っていたと思う。その体力があるから今が楽しめるのだ。いくらあったらいいか?50億?100億?500億?1000億?それはあまり関係ないと思う。ある分で楽しめば良いだけだ。おそらくプライベートジェットや豪華な別荘などを買わなければ、キャッシュで10億あれば元本を減らさずに月に手取り500万円は稼げるだろうし、金銭の多寡と幸せはあまり関係ない。しかし残された時間と幸せは大いに関係あると思う。どの辺で踏ん切りをつけるか、決断するしかないのだ。