シンガポール

思い立ってシンガポールに行ってきた。いつもの自分の勘なんだけどさ。たまたま知り合いのプライベートバンカーが香港からシンガポールに移り、香港以来ご無沙汰していたのもあり…。
昨年にも行ったが、イミグレは事前にネットで入国申請だ。自動化の機械にパスポートを読み取らせればすんなり入国できる。世界で一番簡単に入国できるシステムだと思う。
空港から街まで30分。相変わらずゴミもなく綺麗な街だ。たまたまいつもの定宿フラトンベイホテルに泊まったが、金融街にも近く規模感が気に入っている。元々は昔香港でお世話になったSINOグループが持っているホテルなので親近感もある。以前香港で会長さんのお宅のホームパーティーにお邪魔してご馳走になったこともあるし、テナントとしてオフィスを借りていたこともあったからだ。
最近思うのだが、海外へ行くときに外貨を持って行かなくても良い国が増えてきた。チップのあるアメリカはホテルなどで少し必要な時があるが、シンガポールも全く現金は必要としなかった。移動はGRABがあるし、タクシーでもクレカ(Apple Pay)でじゅうぶんだ。また買い物をしても入国のデータを見せれば、簡単に端末でパスポートを読み込んでくれるし、払い戻しのメールが直ぐに来る。空港では免税の機械にパスポートを読み込ませれば全ての免税買い物データが入っている。3月に行った香港はまだ公共交通機関はオクトパスカード(スイカみたいなもの)が存在する(今はアプリ)が、シドニーはそれさえもなく、全てApple Payで済ませられる。 つまりシドニーはいきなり海外から来ても、公共交通機関に何のアプリもローカルなシステムも必要なくスッと乗れるのである。
結局今回も1ドルもキャッシュは必要なかった。もちろん東京はそんな感じに近いが、UBERはまだまだだし、GOやS・Rideなどのアプリは必要だし(クレカはあるが)、地方に行くとタクシーでも現金だけというところもあるものだ。
しかし、俺が最初にシンガポールに行ったのは40年くらい前だが、まだ日本に比べたら後進国でアジアの香りが満載だったのに、今はアジア1の一人当たりGDPだし、日本より圧倒的に進んでいる感じがとても悔しい。まずはインターナショナルであることが負けている。国民は英語を話すし、パスポート取得率は50%だ(日本は17%)。国際都市としての必要なものは当然整っているが、独自に国としての魅力度を明確にしていることがあるのではないだろうか。ぶっちゃけ、ドバイやモナコなどと同じように富裕層を相手にしているというのが明確だ。税制やビザなどもそうだが、屋台のホーカーズでさえ清潔なフードコートに変身した。そして以前にも増して東南アジアの首都のようになっている。物凄いハブ化した国だからわずか600万人の国民でもその10倍以上の年間6500万人の人がチャンギ空港経由でどこかに移動している。羽田は国内線を含めで8700万人だが、空港の仕立ては全く魅力なく、ただの空港だ。チャンギには最近できたJEWELというエンターテイメントゾーンがあるが、空港は単なる移動の玄関だけではなく、完全に過ごす場所を意識している(映画館まである)。今日は午後2時の便だったが、空港には10時半には着き、いろいろ十分に楽しめた。
今回の目的は投資の件であったが、日本はまだまだ金融面で閉鎖的であると思ったし、まずは投資という概念が非常に薄い国だと思う。金利が安いというのもあるが、そもそも高いパフォーマンスの金融商品も少ないし、高い相続税に対し代を経れば財産は減っていくということにしかならないが、シンガポールであれば場合によっては年利10%の運用が可能であるし、それに対する課税は0%だ(日本は20%)。そして配当金の95%益金不算入という制度があるので、例えば日本で金融商品の利益が1億円あった場合2千万円の税金だが、シンガポール子会社で1億円の利益の場合は150万円で済む。
そんな仕組みを今回学びに行き、ブラジル人のファンドの社長とも知り合えた。彼は子供の時からお金の概念を教育すべきだと言っていたが、まさしくそれは必要だと思う。日本はあまり投資という概念がないが、例えば1000万円を100年間10%の複利で運用したら10億円になるというのを知っているだろうか?もちろん100年は生きられないが、何代にも渡る子孫のことを考えたら、そういう発想もありだろう。子孫に金を残すなというが俺は俺が死んでもファミリーは強くしてゆきたい。10%で回るなら下手な事業などしない方がいい。10%の純利益を稼ぐ事業などなかなか作れるものではないからだ。運用と節税を考えるだけで事業より稼げるならその方が確かだろうと思うし、少し頑張るくらいでその辺に到達は可能であろう。世界中の税制が厳しくはなっている昨今だが、ただ指をくわえてボーッと日本の金融機関と付き合っているだけでは先細る一方なのは間違いない。たまたま自分のファミリーはインターナショナルであるし、グローバルに活躍をしてほしいからこそ、そんな視点での資産運用が必要になってきたわけだが、例えそうじゃないとしても、これからは日本にいてもグローバルな資産運用は不可欠だと思う。円は強くなる見込みはない。だとしたら外貨に変えといた方がいい。金利も低い。だとしたら海外の金融商品の方がいい。そういう考え方をするしないで5年、10年、20年と経った時にかなりの差が出てしまうのは間違いないだろう。
国は都合悪いことは報道させない。一人当たりGDPが下がり続けていることも全く報道されない。俺はこの国で余生を平々凡々と生きているわけにはいかない。